不登校の子の才能を伸ばすには|「見つける」の次にある、いちばん大事な段階

「学校には行かないけれど、好きなことだけは何時間でもやっている」

そんな我が子を見ながら、安心と不安が半分ずつ、という保護者の方は多いと思います。この記事は、その不安のほうに正面から答えるために書きました。

先にお伝えしておきたいことがあります。お子さんが学校に行かないことも、好きなことに没頭していることも、あなたの育て方のせいではありません。この記事は、原因を探す記事ではなく、いまある「好き」をどう扱うかの記事です。

タブレットに夢中で取り組む子ども
何時間でも続けられる。その力を、どう扱うか
目次

まず、数字の話を少しだけ

353,970令和6年度の小・中学校の不登校児童生徒数(12年連続増・過去最多)
約13.6万人学校内外で専門的な相談・指導等を受けていない児童生徒

私たちがより重く受け止めているのは、右の数字のほうです。13万6千人の子が、いま、どこともつながらずに家にいます。その子たちの「好き」を、誰も見ていない。この記事が扱いたいのは、そこです。

出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(令和7年10月公表/令和8年1月一部修正)

「好きなことばかりしていて、いいのか」への答え

検索するとよく出てくるのは、ゲームや動画を「どう制限するか」という記事です。でも、多くの保護者が本当に知りたいのはそこではないと思います。知りたいのはたぶん、「この没頭には意味があるのか」ということです。

ひとつの見方をお伝えします。没頭それ自体は、才能ではありません。好きなことを何時間も続けられるのは素晴らしい力ですが、それだけでは「その子の中で完結した時間」のままです。

では何が足りないのか。その没頭が、誰かに届いたことがあるかどうかです。

絵を描き続けている子が、誰にも見せたことがない。ゲームを極めた子が、その面白さを誰にも語ったことがない。受け手のいない没頭は、本人にとってさえ価値がわかりません。「好きなことばかりしていていいのか」という不安の正体は、実はここにあることが多いのです。

才能は「見つける」だけでは伸びない

不登校と才能について書かれた記事の多くは、「見つける」と「家庭で育てる」までで終わっています。もちろん、それは大切な土台です。でも、その先があります。

図1|才能が育つ4つの段階と、家庭でできる範囲

1

見つける

その子が時間を忘れるものに気づく

家庭でできる
2

育てる

道具・時間・環境を用意する

家庭でできる
3

外に出す

家族以外の誰かに見てもらう

家庭だけでは難しい
4

受け取られる

見た人から反応が返ってくる

家庭だけでは難しい

①②で止まっている家庭が、非常に多い。自己肯定感がなかなか回復しない理由の一つが、ここにあります。

家族からの「すごいね」は、その子にとってすでに手に入っている承認です。何度もらっても、届かない層がある。「お母さんはそう言うけど」と本人が思ってしまう領域は、家族の言葉では埋まりません。

ただし、「評価される場」ではありません

ここで慎重にお伝えしたいことがあります。

不登校のお子さんにとって、「評価」はしばしば傷の原因そのものです。点数で測られ、比べられ、順位をつけられた経験が、学校から足を遠ざけた理由かもしれません。そこへ「コンテストに出よう」と言われても、届かないどころか、追い詰めることになります。

だから私たちは、これを「評価される場」ではなく「受け取られる経験」だと考えています。

図2|似ているようで、まったく違うもの

評価される場

  • 順位や優劣を決めることが目的
  • 他人と同じものさしで測られる
  • 勝ち負けが残る
  • 「またダメだった」が積み上がる

受け取られる経験

  • その子の表現が誰かに届くことが目的
  • その子にしかないものを見る
  • 「見てもらえた」という事実が残る
  • 次にやりたいことが出てくる

大事なのは、賞を取ることではなく、家族以外の誰かが本気で受け取ったという事実が本人に残ることです。順位は副産物にすぎません。

いきなり大きな場でなくていい|3つの段階

外に出すといっても、いきなり全国大会に応募する必要はありません。階段は3段あります。

図3|無理なく「外に出す」ための3ステップ

1

家族以外の「ひとり」に見せる

祖父母、親戚、近所の人、オンラインの友達。誰でも構いません。「家族以外」であることだけが条件です

2

小さな場に出す

フリースクールの発表会、習い事の発表会、地域のイベント、オンラインコミュニティへの投稿。顔が見える範囲で、複数の人に見てもらう段階

3

公募・コンテストに出す

全国規模の場へ。「知らない大人が真剣に見てくれる」という、第1・第2段階では得られない経験ができます

焦らないでください。第1段階に半年かかっても構いません。順番を飛ばすと、たいてい戻ってきてしまいます。

不登校でも参加できる発表の場・コンテスト

調べてみてわかったのですが、「不登校の子ども向け」と明示された発表の場は、ほとんど存在しません。その代わり、学年さえ合えば在籍状況を問わず応募できる場は少なくありません。

名称主催対象形式
NIJIN教育万博 パフォーマンスコンテスト株式会社NIJIN小・中・高校生歌・ダンス・けん玉・漫才など自由/動画予選
NIJIN教育万博 子どもプレゼンコンテスト株式会社NIJIN小・中・高校生社会への提案/1〜2分の動画予選
全国高校生MY PROJECT AWARD認定NPO法人カタリバ高校生年代探究プロジェクト
図書館を使った調べる学習コンクール図書館振興財団小学生〜大人調べた過程と結果の作品
朝永振一郎記念「科学の芽」賞筑波大学小3〜高校生実験・観察の研究
自然科学観察コンクール毎日新聞社ほか小学生・中学生自由研究レポート
FRaU SDGs edu こどもプレゼン・コンテスト講談社小学校低学年〜高校生絵・作文・動画など自由

※各コンテストの締切・要項は年度により変わります。応募前に必ず公式サイトでご確認ください。

「学校では測れない才能に、レインボーブザーを」

私たちが2026年11月に開催するNIJIN教育万博2026には、まさにこの「外に出す第3段階」のために作った場があります。

テストの点数、通知表、偏差値。学校には子どもを評価するものさしがあります。でも、そのものさしでは測れない力があります。何時間でも好きなことを追究できる力。誰も思いつかない発想。人を笑顔にする表現。

パフォーマンスコンテスト

  • 歌・ダンス・楽器・ボイパ・漫才・マジック・けん玉・音マネ・身体表現などジャンル自由
  • 学校に通っていても、通っていなくても応募できます(フリースクール・ホームスクール歓迎)
  • 個人でもグループでもOK。予選はスマホ撮影の動画3分以内をYouTube限定公開で提出するだけ
  • 応募締切:2026年9月30日/本選:11月21日(土)14:00–16:00 DMM六本木本社
  • 順位とは別に贈られる「レインボーブザー」——審査員が心を動かされた瞬間に鳴らす特別賞があります

ジャンル自由。学校に通っていなくても出られます。

パフォーマンスコンテストの詳細を見る

子どもプレゼンコンテスト

「社会をこう変えたい」を自分の言葉で届ける提案のステージです。応募締切:2026年10月18日(日)

ラジオ番組に出演する昨年の出場者
昨年のコンテストで審査員賞を受賞した現役生は、いまラジオ日本や文化放送へ活動を広げています

昨年出場した現役生のKEITOさんは、審査員賞・オーディエンス賞を受賞したあと、全国の不登校の仲間に届ける「ニジアカラジオ」を起点に、夢のたね放送局、ラジオ日本、文化放送などへ活躍の場を広げました。一度「受け取られた」経験が、その後をここまで変えることがあります。

予選はスマホで撮った1〜2分の動画だけ。

子どもプレゼンコンテストの詳細を見る

最後に

才能を伸ばすというと、特別な教育や高価な教材を思い浮かべるかもしれません。でも、いちばん効くのは「その子の好きが、誰かに届いた」という一回の経験だと、私たちは考えています。

順位はいりません。賞もいりません。家族以外の誰かが、本気でそれを見た。その事実だけが、本人の中に残ります。

もし、いまお子さんの中に何時間でも続けられる何かがあるなら、それは十分に持ち出せるものです。焦らず、第1段階から。

※お子さんの状態によっては、外に出すことよりも休むことが優先される時期があります。心身の不調が続いている場合は、無理に段階を進めず、スクールカウンセラーや医療機関などの専門家にご相談ください。

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